発行：工手の母新聞社 ( 大阪市 )週１回の発行で、元来8頁の新聞だったと思われますが、全頁揃っているものは無く、ほとんどの号がそのうちの3～6頁となっおります。唯一、大正元年8 月 3 日 ( 623号 )  だけは、3～6頁が抜けた1 . .2 . 6 . 8 頁となっております。( 最終8頁下部に所在等記載有 )尚、内数枚に２色刷りされたものも含まれます。

●抜粋●
「 工女の手相 」 ( 人相よりも手相・・・、手の甲の写真交換で婚約 )
お父さんは折角倅によい嫁を迎えてやろうと、新聞にまで広告いたしましたけれどドウも眼鏡にかなふた女がないので、困って居られました。成るほど新聞の広告の効能は恐ろしいもので、僅か二三日の間に二百有余人の申し込みはありましたが、来る写真は皆相当の美わし顔で其の顔に相当して手までも美わしいものばかりでございました。そこでお父さんは又更に新聞広告を致しました。今度はドウゆう広告をいたしましたかと申しまするに、今度倅に嫁を迎えて別家さすに就いては下婢が入用だから、倅夫婦を世話すべき下婢を雇入る希望者は顔と手の甲の写真を添えて直ちに申し込むべし、但し、高等女学校卒業程度以上の学力ある品高方正の未婚女に限る・・・、とゆう文句を新聞に広告いたしましたのであります。ところが名に聞こえた冨家の息子夫婦の刈日とゆうのですから希望者が多くて、是又、三日ばかりの間に百二十人の申し込みがありました。お父さんは其多くの写真の中から醜い手のものを五六枚選り出しまして、更に其の中から指の短くて節の高く太い手のキメの粗いのを一枚選びだしましてそれに添うて居る顔の写真と比べて見ましたところが、流石に争われぬ者もの、容色はよいが何処となく浮世の浪風に逢うて来た容子が偲ばれたのであります。実に奥床しく末頼もしう思われましたので、お父さんはハタと膝をうつて、「コレだ、コレだ、倅の嫁は此の女に限る・・・」お父さんは倅に、ニコニコと笑みを作って喜ばれました。・・・後略。
他に「工女訓」、連載小説「義理の中」作：霹靂火模範工女の紹介、記事 「ビリッケンの話」、投稿文芸欄など・・・。
●内訳●
◆大正元年8 頁の内、1 . .2 . 6 . 8 頁8 月 3 日 ( 623号 ) 
以下は何れも全 8 頁の内 3 ～ 6 頁のみです。◆ 明治43年7 月 2 日 ( 512号 )◆ 明治45年1 月 20 日 ( 595号 )  / 5 月 11 日 ( 611号 )  / 5 月 25 日 ( 613号 )  /  6 月 1日 ( 614号 )  
◆大正2年3 月8 日 ( 655号 )  / 4 月 12 日 ( 660号 )  / 5 月 10 日 ( 664号 )  /  5 月 24 日 ( 666号 )  7 月 19 日 ( 674号 )  / 7 月 26 日 ( 675号 )  / 8 月 16 日 ( 678号 )  / 8 月 23 日 ( 679号 )  8 月 30日 ( 680号 )  / 9 月 6 日 ( 681号 )  / 9 月 13 日 ( 682号 )  / 96 月 20 日 ( 683号 )  9 月 27 日 ( 684号 )  / 10 月 4 日 ( 685号 )  / 11 月 15 日 ( 691号 )  /  12 月 13 日 ( 695号 )  
◆サイズ◆40 × 28 ㎝程
◆状態◆破れが酷いものも含まれますが、大部分はヤケ変色があるも読む事には支障はありません。